世界自閉症啓発デー
2022 in 静岡
自閉スペクトラム症の理解と支援を広げるために
市川先生のご講演と対談
(動画)

静岡県自閉症協会



 市川宏伸先生にご講演と対談をお願いし、動画を作成しました。
 2時間半の動画を内容ごとに分けて、メニューをつけましたので、興味のあるところをご覧いただけます。
 また、当ページの最後に若干の補足説明をつけました。
 自閉症を中心とした発達障害の理解を深めよりよい支援の参考にしていただければ幸いです。


 《 目 次 》

★ 講師および対談者紹介
★ 動画の目次
★ 補足説明


★ 講師および対談者紹介 ★

〇 市川宏伸(講師)
 
 児童精神科 医師
 
日本自閉症協会 会長
 JDDネット 理事長
 正夢の会 理事長

〇 津田明雄(対談)
 
 静岡県自閉症協会 会長
 日本自閉症協会 常任理事
 クローバー 会長



★ 動画の目次 ★


講演1-1(9分49秒)
◎ 自閉症の父親として
 市川先生は児童精神科の医師であり自閉症や発達障害についての専門家として有名ですが、自閉症の特性のある子どもさんがおられます。
 父親としての幼児期から学齢期の思いや取り組みについて最初にお話いただきました。
(補足)自閉スペクトラム症のタイプ

講演1-2(10分29秒)
◎ 施設づくり
 子どもさんが特別支援学校の高等部に進み、卒業後に向けて施設づくりに取り組まれました。

講演1-3(10分10秒)
◎ 施設の運営
 施設が完成し、運営に取り組まれました。

講演1-4(11分8秒)
◎ 医師として
 児童精神科の医師としての経験からの思い

対談1(16分30秒)
◎ 一人ひとりに応じた支援
〇 入所施設とグループホーム
〇 日中の支援、夜間の支援
〇 自閉症のタイプ
〇 集中できること、興味などの把握
〇 運動会や行事
〇 家庭のこと

講演2-1(25分53秒)
◎ 診断基準について
(補足)自閉スペクトラム症は障害?病気?

講演2-2(6分1秒)
(補足)「早期発見・早期支援」と「適宜発見・適宜支援」
◎ 気づきと対応
◎ 診断の実際
(補足)「早期発見・早期支援」と「適宜発見・適宜支援」

対談2(26分31秒)
◎ 診断の説明・理解・対応
〇 IQについて
〇 親が理解できる説明が大切
〇 検査結果の説明の重要性
〇 障害・症・病気
〇 愛着障害?
〇 早い気づきと対応
(補足)自閉スペクトラム症は障害?病気?
(補足)「早期発見・早期支援」と「適宜発見・適宜支援」

対談3(7分41秒)
◎ 改善したい行動への対応

対談4(7分23秒)
◎ 親の高齢化とグループホーム等

対談5(7分20秒)
◎ 高機能

対談6(7分53秒)
◎ 薬について



★ 補足説明 ★

分かりにくいと思われたことについて、以下補足をさせていただきます。
(補足の作成者は津田です)

自閉スペクトラム症は障害?病気?
「早期発見・早期支援」と「適宜発見・適宜支援」
自閉スペクトラム症のタイプ

■ 自閉スペクトラム症は障害?病気?
 「講演2-1」および「対談2」の中で、名称に「障害」を使わずに「症」としたこと、そして「疾患名」としてつけられたとのお話もあり、わかりにくい面があると思います。
 「障害」という名称について親が強いショックを受けるという問題があったため、「障害」という名称を使わなかったことや、「disorder」は「疾患名」であり「障害」と翻訳することは適切ではない、というようなことから「症」を使ったとの説明をいただきました。
 これまでにされていた、いろいろな説明の例。

(1) 親の育て方のせいではない。
(2) 病気ではなく障害である。
(3) 脳の機能の一部の障害である。

 この中の(2) の部分がわかりにくくなったように感じました。
 このことに関係したお話としては次の2つがありました。

〇 精神障害の中に含まれている。
〇 疾患名である。

 「障害」と「病気」はつながったところがあり、完全にわけて考えることは難しいようです。
 「福祉」的な視点で考えると、「支援」を必要としていることから「障害」として扱うことが一般的になっていると考えます。

 (1) については、最近は減ってきていると思いますが、親の育て方のせいであると言われて、傷ついた方も少なくないと思います。親の育て方のせいであるということは否定されています。
 (3) については、現在多くの方が使われている説明です。平均的な方と脳の機能に僅かな違いがあるということです。得意なことがあり、優れた力を発揮される方もおられます。劣っているということではなく、少し違っていると考えていただくことが適切だと考えます。

■ 「早期発見・早期支援」と「適宜発見・適宜支援」
 「講演2-2」で「早期発見・早期支援」ではなく「適宜発見・適宜支援」とのお話がされました。
 なお、福祉の分野や教育の分野では「早期発見・早期支援」という考え方は重要なこととして示されており、当協会としても行政に働きかけをしています。
 市川先生は「講演2-2」の中では医師としてのお話をされ、病院で「早期支援」に取り組むことの難しさが、このお話のもととなっていると理解しました。
 親は、診断された後、どうしたらよいのか、専門的な療育をしてほしいなど、不安があります。また、本人の持つ特性に気づかないと、特性のない児童と同じように育てられ、幼児教育のシステムの中で、生活し、学び、遊ぶこととなります。特性にあった支援を受けられないということは、子どもに辛い思いをさせ、不適切な経験を積ませてしまうことになり、悪化させてしまう可能性があります。
 このため、静岡県自閉症協会では「早期発見:早期支援」は重要な取り組みとして、「行政」「教育」「福祉」への働きかけをしています。

 市川先生との対談の中では、このことについて十分なやりとりができませんでしたが、「対談2」の中では「早期の気づきと、適切な支援」が重要であることについての話をさせていただき、現実的な支援ができるところが少ないという問題と「早期の気づきと適切な支援」の大切であることなど、基本的な思いとしては違いはないと思います。
 なお、静岡県自閉症協会では、早期発見と早期支援について次の取り組みをしています。

〇早期発見
 市町で行われている1歳半、3歳児健診において、可能性のあり早めに支援やアドバイスが必要な方に気づき、必要な対応につなげるよう、行政に働きかけをしています。
 また、診断していただける病院を増やしていただくことについても働きかけをしています。
 市川先生とのお話の中で、児童精神科や小児神経科などのお話がされましたが、小児科の先生の中にも勉強していただき、ある程度の対応をしていただける先生が増えてきているように感じています。発達障害者支援センターでも研修をしていただいており、さらに多くの先生に参加していただき対応していただける先生が多くなることを願って県への働きかけをしています。

〇早期支援(早期療育)
 市町が行う親子教室などの専門性を高めるよう働きかけをしています。
 保育園、幼稚園、児童発達支援などにおいて適切な対応がされるよう行政に働きかけをしています。
 静岡県自閉症協会として、研修会の開催、ペアレントメンターや会の役員からの情報提供、相談対応、会員同士が情報交換ができる場の運営などをしています。

■ 自閉スペクトラム症のタイプ
 「講演1-1」で市川先生のお子さんは「受け身型」であるとのお話がありました。
 社会性の関係について、次のようなタイプがあると言われています。
 なお、この型は成長の過程で変わってくることがあります。
 また、相手により、環境により、変わることもあります。
 市川先生もビデオの中で説明されていますが、以下に簡単に記載いたします。

〇 孤立型
 他の人との関係を持ちたがらず、一人でいることを好む。

〇 受動型
 他の人の指示、働きかけに素直に従う傾向がある。

〇 積極奇異型
 他の人の気持ちに関わらず、積極的に関わる。
※ 上記3つ以外のタイプもあります。
 
■ 自閉スペクトラム症や発達障害に関する各種情報


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